梓御弓・矢の調製工程
期間
令和6年6月28日(金)~令和7年6月23日(月)
場所
せんぐう館 第4展示室
展示
梓御弓あずさのおんゆみ

 奈良時代から平安時代にかけての儀仗弓の遺制を留める梓御弓あずさのおんゆみは総数59張が奉られます。弓幹ゆがら(弓の本体)は木目が通直な梓材(水目桜)を用いた朱鑞しゅろ色漆塗です。握りの部分を指す弓束ゆづかは鹿の角で作られ、その上から赤地唐錦あかじからにしきを張り、弓束ゆづかの上下にははなだ色または緋色の厚細組あつぼそぐみと呼ばれる紐を巻いています。弓の両端には金銅製の弓弭ゆはず(弦を掛ける金具)を付け、絹糸で巻き込んだはなだ色或いは白・紅色のだんを弦に張って調製されています。
 
 神宝の矢は総数4080本にも及び、矢入れ具の御靱おんゆぎ御胡籙おんやなぐいに納めて奉られます。古代の武官が佩用はいようした胡籙やなぐいに指して負う儀仗矢の装飾的な形姿を伝えて、製法も古式の矢拵やごしらえに拠っています。矢は、使用する矢羽の種類、漆塗を施した矢柄やがらの長さ、銀蒔絵ぎんまきえの有無、上端の弓弦ゆみづるを喰わせるはずに巻く筈巻はずまき、羽の上下に巻く末巻うらまき本巻もとまき、矢先に巻く沓巻くつまき根太巻ねたまきの材質、やじりの形状などから細かく8種類に分けられます。竹そのものの美しさを表すと共に、利器としての強靱さを加えた矢柄やがらには矢師やしの技が発揮されています。
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