展示替のお知らせ
令和2年6月25日より展示室4に御鏡・轆轤筥の調製工程品を展示しております。
御鏡の調製
御鏡は鋳型を作ることから調製が始まります。様々な土や砂を重ね合わせて真土型を作り、木型で御鏡の型に挽いていきます。
その後、背面には牡丹と瑞鳥の文様を篦押 しして陰刻され、鋳型が作られます。
鋳型の完成後、銅・錫 ・銀を合わせた白銅の熔湯を流し込み、冷ました後に御鏡を取り出します。
その後、鑢・砥石・朴炭で磨き、梅酢で表面の油分を除去し、次に錫アマルガムを塗布して御鏡を磨いて曇りのない鏡面に仕上がります。
轆轤箱 の調製
轆轤筥は御鏡を納める筥で、その名前の通り桧材を轆轤で回転させ鉋で削り出します。
その身と蓋は合口にずれがないように、紙一枚分の厚みにこだわって削り出されており、
この工程に木工職の技術が遺憾なく発揮されています。
このようにして削り出された器材には、表面に銀平文が施されます。
銀平文は銀板(厚さ0.6mm)を文様の形に切り抜き、漆塗りの過程で貼られ、その上から更に漆を重ねた上で、
表面に銀板と漆を平らに研ぎ出す技法です。
轆轤筥には金工と漆工の技が発揮されています。